センター概要
OUTLINE

設置の目的

ゲノムデータを含む医療ビッグデータ・AI・データサイエンス・計算科学を統合する新規研究・学術分野の創生と発展を目指すとともに,研究成果の社会還元から健康長寿社会モデルを提唱し,もって超高齢社会における超スマート医療の実現と持続可能な地域ヘルス・エコシステムを実現することを目指し,本センターを設置する。

これまでの経緯,並びに設置の背景

医薬保健研究域の域内センターのうち,平成23年4月に設置された脳・肝インターフェースメディシン研究センターは,設置後6年間に亘り脳・肝を中心に分野を超えた学際的なアプローチにより,成人期・老年期疾患の病因・病態を解明してきたが,平成29年4月に同センターを発展的に改組する形で廃止し,学内共同教育研究施設である先進予防医学研究センターに統合され,先進予防医学研究センターの更なる機能強化を図ることとなった。一方,平成21年4月に設置された健康増進科学センターは,地域と連携して健康増進科学を展開し,科学的根拠に基づいて健康増進行動を支援することを目的として活動を続け,平成31年3月をもって廃止となった。

平成30年から提唱されるようになったSociety 5.0 時代のヘルスケアシステムでは,個人のゲノム,オミックスデータとともに,個人が生まれてから亡くなるまでのライフコース全般にわたり健康データ,活動データ,医療・介護データ等をAI,IoTをはじめとした最先端のITを駆使し,Quality of Life の向上を目指すものである。今回のAIホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センターは,さらに,これまで治せなかった病気を新しい手法で治すのみならず,個々が病気になる前のケアから予後管理まで含めたトータルシステムを,AIと神経や免疫系ネットワークを有意機的に結合させたAIホスピタル・マクロシグナルダイナミクスとして捉え,国民や人類の一人一人の健康を向上させることによって,ひいては国民ならびに人類の健康寿命を延ばすことを目的としている。このようにAIホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センターは,さらに未来を見据えたポストSociety 5.0 時代のヘルスケアを実現するための研究基盤組織である。

事業内容

  • 超高齢社会の日本と将来の世界に共通する持続可能な地球的健康長寿社会モデルを確立する世界拠点を目指す。
  • 先進予防医学研究センター(0次予防)等,各センターが有する研究面での強みを相乗的に組み合わせ,超高齢社会の日本と近未来の世界に適合する「超スマート・エコ医療モデルの確立と社会実装」のための共同研究を強力に推進する。
  • ポスト2040年のSociety 5.0データヘルス医療を担うデータサイエンティスト人材育成を強化する。

柱となるデータサイエンス構成

  • (1)神経データサイエンス
  • (2)生活習慣データサイエンス
  • (3)診断・治療・予後予測データサイエンス
  • (4)薬局KDBデータサイエンス
  • (5)薬剤応答・創薬データサイエンス
  • (6)感染対策データサイエンス

センターで取り扱う主なデータ群

  • (1)脳画像データ,眼底写真データ,冠血流画像データ,各臓器画像データ,認知症・発達障害診断データ,予後予測,AI診断
  • (2)検査データ,内科的・外科的処置,手術,AI治療支援
  • (3)KDBデータ,薬剤データ(構造活性相関含む),食,栄養,サプリ,生活習慣
  • (4)新興・再興感染症対策,治療標的探索,ワクチン・免疫・医薬品開発,ナノ技術DDS
  • (5)ゲノムデータ,マイクロバイオーム,バイオマーカー