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2025.05.14

第45回 ai@ku定例セミナーを実施しました

2025年5月14日、第45回 ai@ku定例セミナーが開催されました。

演 題:インターネットを介して拡大する医薬品の不適正流通
演 者:吉田 直子(AIホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センター 准教授)

 ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)は、インターネットを通じて他者とコミュニケーションをとるプラットフォームであり、日常生活で広く活用されている。一方で、SNSを介して個人が商品を手軽に売買できるようになり、SNSが不適切な取引の温床となることが懸念されている。医薬品においては、SNSにおける個人間取引が業としての隠れ蓑になっていることも指摘されている。SNSを介した医薬品の個人間取引は、不適正流通経路の一つであり、医薬品の不適正使用、低品質・偽造医薬品の流通拡大のリスクを孕む。これまでに、医薬品の個人間取引がSNS上で散見されており、2022年には未承認医薬品による健康被害事例も報告された。SNSを介した医薬品の不適正流通抑止は喫緊の課題であり、国民の保健衛生上の危害を未然に防止するため、積極的な監視指導が必要である。我々は、SNSを介した医薬品の個人間取引に対するより効果的な監視手法の検討に資するため、日本国内で利用されている代表的なSNSであるTwitter(現X)における医薬品取引の実態を調査した。本セミナーでは、その結果について共有するとともに、多様化するネット社会における医薬品流通問題について考える機会としたい。