2023.12.13
第30回 ai@ku定例セミナーを実施しました
2023年12月13日、第30回 ai@ku定例セミナーが開催されました。
演 題:東ティモール民主共和国を対象として上下水道整備から防災教育まで
〜AI を用いた将来予測と現実〜
演 者:藤生 慎 先生
金沢大学融合研究域融合科学系 准教授
東ティモール民主共和国は独立から20 年と非常に若い国であり,観光立国,産業誘致を積極的に進めており,主要な農産物はコーヒー,資源は原油である国である.しかし,国の発展は非常に遅れ,上下水道の整備,道路整備,地震・洪水・津波を対象とする防災対策は,ほとんど行われていな状況がある.下水道の整備の遅れのため,下水がそのまま街中や海洋に流出しており,⾸都・ディリ周辺の海では水質汚染が問題となっている.ディリ市内の排水溝には青黒い色をした汚水が流れており,ガスが噴出している箇所も多数見られる状況である.⼀方で,汚水が流出している海は,東ティモール国民にとって,子供たちの遊び場や日々の生活を支えるための漁場として利用されている.このような状態では,今後東ティモール国内で健康被害が生じることが予想されるだけでなく,観光資源である美しい海が損なわれてしまうことも考えられる.今後,東ティモールの水質を改善し,美しい海を保つだけでなく,国民の健康被害を防ぐためには,下水道整備だけでなく,市民の下水道についての理解が必要とされる.そこで,現地にて2023 年6 月,9 月,11 月に水質調査,市民を対象としたアンケート調査を実施した. 本セミナーでは,これらについて紹介する.またAI を用いた将来予測についても紹介を行う.