2023.10.11
第28回 ai@ku定例セミナーを実施しました
2023年10月11日、第28回 ai@ku定例セミナーが開催されました。
演 題:転写因子とクローン補充から見るCD8 陽性T 細胞免疫記憶
演 者:倉知 慎(医薬保健研究域医学系 教授)
免疫システムの最大の特徴である「免疫記憶」を理解し、感染症や癌等に対する効果的なワクチンや免疫療法を発展させるためには、CD8 陽性T 細胞(CTL)分化の分子機序を解明する必要がある。私達はCD8 陽性T 細胞がEffector、Memory、Exhaustion へ分化する過程を主に転写因子BATF とIRF4 に注目して研究している。また、従来の抗原特異的T 細胞応答の概念では、初期に応答した特定のクローンが反復応答以降も永続的に増加と退縮を繰り返しながら細胞数と機能を変化させると考えられてきたが、我々は、反復/持続抗原刺激下では新しく動員されたクローンが補充されること、即ちレパトアの変遷が抗原特異的CD8+ T 細胞集団の維持に重要であることを報告してきた。この⼆つの視点からの研究成果を紹介したい。